京都新聞エコロジー17
⑰ 2016年12月 2日付
穀物 温室効果ガス排出少なく
食卓に上がるまで
外食の機会が増える宴会シーズンを迎えました。皆さんはおいしいビーフステーキを食べたいと思われるかもしれません。しかし、肉食ばかりの食生活をしていると、体にはよくないといわれています。そして、実は肉食は地球環境にもあまりよくないのです。
私たちの食品が生産から食卓に上がるまでにどの程度温室効果ガスを排出しているかを食品1キロあたりで算出したものによると、牛肉1キロでは27.0キロの温室効果ガスが排出されます。一方、お米は1キロあたり2.7キロの排出です。10倍の差があります。
このことは、牛肉1キロを得るのに牛が食べる穀物が約10キロ必要と言われていることと整合性があります。私たちは食品を食べることによって、活動のエネルギーを得ているわけですが、同じ食のエネルギーを得るにしても、穀物から直接摂取するほうが、環境負荷の面では優れています。この機会に、環境面や健康面で肉食に偏った食生活を見直していただければと思います。
(京エコロジーセンター館長)