京都新聞エコロジー38

IR推進法 ギャンブル依存対策を

昨年、IR推進法(総合型リゾート整備推進法)が成立し、現在、その実施に向けた法整備が検討されています。IR とはカジノ、ホテル、国際会議場などが一体となった施設のことで、これによって地域の活性化を図ろうとするものです。この法律はこれまで、日本では禁止されていたカジノが合法化されることで話題になっています。

 すでに世界では120か国でカジノが認められていますが、日本の場合はやや特殊な社会背景があります。と言いますのは、日本はギャンブル依存症の人が多いと考えられるからです。厚生労働省の調べによりますと、日本の成人人口の4.8%に当たる536万人がギャンブル依存症であるとのことです。ちなみにアメリカは1.6%、フランス1.2%、韓国0.8%ですので、日本人はギャンブル依存症の人が他国と比べて多いことがわかります。

   日本の場合、その原因の多くはパチンコにあると言われていますが、それ以外に競馬、競輪、競艇など様々なギャンブルがあります。そこへ、カジノですから、社会環境の面で心配です。まずはその前に、ギャンブル依存症対策が急務ではないでしょうか。

              (高月紘・京エコロジーセンター館長)