京都新聞エコロジー 47回

放射能汚染も学ぶ必要が・・・

   日本では、これまで環境問題で対応してきた汚染物質は水銀、カドニウム、亜硫酸ガスなどの化学物質が中心でした。ところが、福島第一原発事故が放射性物質という新たな環境汚染問題を引き起こしました。

    日本には広範囲にわたる放射性物質による環境汚染に対応する法律がありませんでした。そのため急きょ、「放射性物質汚染対処特別措置法」を制定し、放射性物質に汚染された廃棄物の処理と土壌などの除染に取り組むことになりました。

   これまで放射性物質に関する法規制は、原子力基本法とその関連法にゆだねられていました。しかし、ここにきて突然、環境基本法の枠組みで対応することとなりとそれを所轄する環境省は大変な重荷を背負うことになりました。加えて、原子力規制庁も環境省の外局に位置づけらました。

   そんなわけで、私たちエコを学ぶ者も新たに放射性物質による環境汚染について学ぶ必要がありますし、そもそもではありますが、原子力発電所の仕組みやリスクについても学習が欠かせません。

            (高月紘・京エコロジーセンター館長)