カエルさんが目を覚ますと、春ならぬ、夏や秋の果物や野菜が目に入って驚いているところです。最近では、ハウス栽培等で季節に関係なく果物や野菜が手に入る時代になりました。しかし、そのために沢山のエネルギーを使い、大切な季節感まで失いかねません。

この漫画は作者の経験をもとに描いた作品です。ハイムーン氏が以前、京都の空き缶条例制定に向けて活動をしていた頃、嵯峨野付近にポイ捨てされた飲料缶を集めてメーカー別に整理をしていた時に、飲料缶の周りに沢山の蜂が群がってきたのを見て思いついたアイデアである。捨てられた飲料缶の中には飲み残されたジュースなどの甘い飲料があり、これを目当てに蜂が集まっていたのである。
この漫画では、人間以外の動物や植物が意見を述べている場面が描かれている。漫画の世界では、人間以外のものがしゃべることも簡単に表現できる。このことは、動物や植物の気持ちを代弁して作者が語っているともいえる。いずれにせよ、漫画は常識外の表現方法が沢山あるメディアである。ちなみに、この漫画で「鳥が持っているものは何ですか?」とよく聞かれるが、あれは缶飲料を6パックまとめるプラスチック製のリングである。あのリングが海鳥の首や足に絡み付いて大きな被害をもたらしているので自然保護団体の間では問題となっていたのである。
都会の子供たち中には極端に虫を怖がる子がいる。小さい頃から昆虫などを見たり触れたりする機会がほとんどなく、育って来たので虫が目の前に現れると、まるで異次元の生物に会ったように恐怖を覚えるようである。やはり、生物多様性の重要さを理解するためにも、こどもたちには生態系の仕組みを体験学習する機会が大切である。
最近、RV車「Recreational Vehicle(リクレーショナル・ヴィークル)=休暇を楽しむための車」が人気になり、自然公園などを傍若無人に走り回る光景を目にします。ドライブを楽しむにもそれなりのルールがあるはずであり、車で自然を破壊する行為は許されません。
ハイムーン氏の漫画には、様々な統計数値を表示して、日本人のライフスタイルを考えさせるものがある。この漫画では、各国に比較して日本は森林資源に恵まれているのに、いかに海外から森林を輸入しているか示されている。お隣の中国との対比が顕著である。経済的な理屈から海外の森林に依存している訳だが、もう少し国内のバイオマス資源の活用を考えるべきではないだろうか?
自然の野に咲く花、そして、自然に生きる鳥、蝶、魚を全部、家に取り込んで春を満喫している人がいます。しかし、当然ながら、生き物たちは自然の下で生き生きと暮らしているのです。やはり、生き物は自然の状態で鑑賞するのが一番です。
「現代人は里山の風景にはあこがれるが、生活の利便性からは逃れたくない」 かくして、日本中どこへ行ってもコンビニがあり、ファストフードがあることになる。このイラストでは里山風景のほのぼの感をだすために、珍しく墨絵部分にカラリングを施してみた。ハイムーン氏もイラスト技術が少しずつ向上しているようである。
このところ、「生物多様性」という言葉をよく聞きます。文字通り、生物が多様に存在することなのですが、なぜ、生物が多様に存在することが大切なのでしょうか?実は、われわれは住んでいる生態系から色々なサービスを受けて生きているのです。例えば、水も空気も食べ物もみんな生態系からの贈り物なのです。この大切なサービスは生態系が健全に存在してこそ可能なわけです。そして、生態系が健全に存在するためには、生態系の構成員である生物が多様に存在することが欠かせません。生物が多様に存在してこそ、生態系を維持することができるのです。したがって、私たちが生きていくためには、生物の多様性がとても重要なことなのです。
実は、私たちの生存基盤である生態系はまるでジグゾーパズルのように、さまざまな動物、植物、土壌が複雑に絡み合って構成されています。そして、一つ一つの生物が構成員(パズルの小片)として、生態系を支えています。構成員が多様であればあるほど生態系は安定するといわれています。
この生態系からのサービス、すなわち食料、水、空気、薬などで生かされている私たちにとって、生態系の安定は、大変重要なことなのです。
私たちは、もっと生物多様性に関心を持ち、生態系の保全の活動に取り組む必要があります。
画面中央の自然の楽園も周りの環境汚染によって、少しずつ浸食されているようです。地球規模の環境汚染や地域での自然開発によって文字通り自然死を迎えようとしています。数少なくなった地球上の自然の楽園をいかに守るかが問われる時代を迎えています。
今回の漫画は子供たちが動植物の絵を自由に描いている場面です。 漫画の世界ですので、中には、かまぼこが泳いでいたり、ジャガイモが実っている木があったり、4本足の鳥がいたりする絵もあります。現在の子供たちが、いかに自然の現象からかけ離れた想像をしているかを皮肉った漫画なのですが、実は4本足の鳥の絵は実際にあった話なのです。  

いずれにせよ、私たち人間は、自然の生態系の恩恵を受けて生かされているのですから、小さい時から自然の仕組みついてはよく学び、自然環境の大切さを理解する必要があります。そのためにも、子供たちの自然体験学習は欠かせません。
 抗生物質は1940年代に、結核をはじめ多くの感染症に対する画期的な治療薬として登場し、人類に大いなる福音をもたらしました。しかし、今、抗生物質の過剰使用が私たちの体内の生態系を撹乱(かくらん)していると心配されています。
 山本太郎著「抗生物質と人間」(岩波新書)によれば、人の体には百兆個を超える細菌類があり、食べ物の消化吸収を手伝い、免疫力のバランスを調整し病原菌の侵入を防ぐなどの働きをしているのですが、この人間と微生物との共生が抗生物質の乱用によって脅かされていると警告しています。 私たちは抗生物質について正しい知識と適切な使い方を学ぶ必要がありそうです。
最近、わが国でもカエルを見かけることが少なくなったと感じませんか?実は色々な生物種の中でもカエルなどの両生類の40%が絶滅危惧種になっているのです。身近な両生類として、カエル、イモリ、サンショウウオなどがありますが、陸でも水中でも生きることができるので生命力が強そうですが、意外にも弱い生物なのです。紫外線の届きやすい浅い水中で卵を育てることや生息地への農薬などの影響があるのかもしれません。
人類が地球上に登場する以前から、細菌やウイルスなどの微生物はこの地球に存在していました。まさに地球は「細菌の惑星」であり「ウイルスの惑星」であったのです。そこに、われわれ人間が侵入してきたのです。したがって、人間は当然ながら細菌やウイルスと共存することが求められます。これからも感染性の微生物を完全に排除して生き延びることは不可能と思えます。いかに、微生物を含めた生態系と共生していくかを考えなければなりません。

おわり
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