京都新聞エコロジー25
㉕ 2017年 3月31日付
利己主義抑え 長期視点の政策を
環境問題は国際協力不可欠
最近は、世界各国の風潮として「○○ファースト」と称する自国第一主義が勢力を増しているようです。世界中の国々が自国の利益のみを追求し、排他的な政策をとるようになると、現在、国際的に直面している地球環境問題はどうなるのでしょうか? せっかく成立したパリ協定の行方も心配になります。まさに「地球ファースト!」と言いたくなります。
地球環境問題を解決するためには、環境に関する条約の加盟国の協力と理解がなければ前に進みません。各国の利己主義的な行動は可能な限り控える必要があります。特に、経済活動においては、どうしても利己主義が前面に出がちで、環境規制を緩和して、自国の経済を優先させる方が得だと言う意見があるかもしれません。
しかし、それで、一時的に経済成長が保たれたとしても、足元の地球環境が壊滅的に悪化しては元も子もありません。ここは長期的に、かつグローバルな視点から地球環境を重視する政策が求められます。
(京エコロジーセンター館長)