京都新聞エコロジー29
2017年6月2日付
小さい時から生態系理解を
今回の漫画は子供たちが動植物の絵を自由に描いている場面です。
漫画の世界ですので、中には、かまぼこが泳いでいたり、ジャガイモが実っている木があったり、4本足の鳥がいたりする絵もあります。現在の子供たちが、いかに自然の現象からかけ離れた想像をしているかを皮肉った漫画なのですが、実は4本足の鳥の絵は実際にあった話なのです。
今の子供たちは、自動車やアニメのキャラクターの絵は上手に描くのですが、ごはんやパンのもとである稲や小麦の絵はあまり得意ではありません。舗装された道路やコンクリートのビルに囲まれた街に住んでいると、毎日食べている食料品はスーパーかコンビニから手に入れるものとの感覚で、遠く離れた田んぼや牧場で生産されたものとの意識は薄いのかもしれません。
いずれにせよ、私たち人間は、自然の生態系の恩恵を受けて生かされているのですから、小さい時から自然の仕組みついてはよく学び、自然環境の大切さを理解する必要があります。そのためにも、子供たちの自然体験学習は欠かせません。
(京エコロジーセンター館長)