ゴミック新作集7-15 プラスチックは国家なり?(9-11)

 最近、環境問題分野でプラスチックの問題がよく取り上げられる。そもそも、わが国でどれぐらいプラスチックが使われているのであろうか?消費量の統計を見ると日本人一人1年で76kgとある。一方、いろいろな工業材料で最もよく使われる鉄製品は一人1年で400~500kgと言われている。さすがに「鉄は国家なり」と言われて、鉄こそが国力を示す材料として、日本もかって世界1位の生産力を誇っていた時代があった。ところで、重量ベースでは確かにプラスチックは鉄製品にははるかに及ばないが、容量ベースではどうであろうか? プラスチックの平均的な比重1.1、鉄の比重7.8を用いて先の消費量を容量ベースに換算すると、驚くことにプラスチックが69L/人・年、鉄が64L/人・年とプラスチックの方が多くなっている。我々は日ごろ身の回りの製品を見るとき、重さよりは容量で見る習慣がある。その意味では、実は我々は鉄製品に囲まれているよりはプラスチック製品に囲まれて生活していると言っても過言ではないのである。まさに、「プラスチックは国家なり」となっているのである。