京都新聞エコロジー12
⑫ 2016年 9月16日付
急須で入れるゆとり大切に
時短の裏で費やされる資源
イギリスで漫画展を開催したところ、なぜか、この漫画が人気を博しました。その訳を考えてみますと、イギリスでは古くから「午後の紅茶(アフタヌーン・ティー)」の時間を大切にしていました。最近では、そんな習慣がすたれ、時間に追われる日々となったことに対し、反省の意味をこめて共感を得たのではないでしょうか。
日本においても、抹茶で客人をもてなす茶道、すなわち茶の湯文化は独特の総合芸術として、その伝統は現在も引き継がれています。しかしながら、どの国でも忙しさに追われる生活の中でお茶を楽しむ時間や機会が、だんだん少なくなってきています。
お茶の時間は短縮されましたが、実は、その裏ではたくさんの資源とエネルギーが費やされています。特に、自動販売機によるペットボトルのお茶飲料ではその傾向が顕著です。
どうか、皆さんはお茶を飲むときは、せめて急須でお茶をいれて飲んで下さい。
(京エコロジーセンター館長)