京都新聞エコロジー31回

2017年6月30日付

ゆとりあるライフスタイル選ぼう

 最近、わが国では「働き方改革」の議論が盛んですが、この動きの背景には、過労死、長時間労働、残業などの問題があることは明らかです。日本人は働きすぎであるとよく言われますが、実態はどうでしょうか?

 経済協力開発機構(OECD)の調べ(2014年)によると、日本の男性は休日も含んでの1日当たりの平均労働時間が6.25時間で、OECD26カ国の中で最長です。26カ国平均の4.32時間より2時間近くも長く働いているのです。

一番少ないフランス(2.88時間)の2倍以上働いています。現在、日本政府は長時間労働の元凶である残業時間に上限規制を設けようとしていますが、さて、このよう出口規制でこの問題を解決できるでしょうか?

 ごみ問題と同じで、やはり入り口、すなわち仕事の絶対量を見直す必要があると思います。そして、日本人はもう少しゆとりあるライフスタイルを選択するべきではないでしょうか。そうすれば、長時間労働に伴うエネルギー負荷も少なくなり、環境にも良好な働き方改革になると思います。

         (京エコロジーセンター館長)