電子マンガ本には解説があります。
都会の子供たち中には極端に虫を怖がる子がいる。小さい頃から昆虫などを見たり触れたりする機会がほとんどなく、育って来たので虫が目の前に現れるとまるで異次元の生物に会ったように恐怖を覚えるようである。やはり、生物多様性の重要さを理解するためにも、こどもたちには生態系の仕組みを体験学習する機会が大切である。
最近は環境問題の大切さがマスコミ等で取り上げる機会も多くなり、多くの人たちが頭の中では「エコな行動をとるべきである」と意識しているのであるが、実際の行動は相変わらず、便利さを優先する行動をとってしまう。例えば、ごみは「ちゃんと分別してリサイクルに」と思っているが、実際は面倒くさいので分別せずに出したり、「近くだから自転車で」と思っていても、実際はやはり便利なマイカーで出かけたりしてしまう。このように意識と行動の乖離をどのように防ぎ、つなげるかが環境教育においても大きな課題である。
ハイムーン氏の小さいころは少々の危険は覚悟で川遊びや山遊びをしていたものである。しかし、現在は父兄の目が厳しく、先生方も子供たちを自由に川や山で遊ばせることは避けることが多い。そんなわけで、子供たちに貴重な自然体験をさせようとの動きがあるが、あまりにも安全を配慮するがゆえに、本当の体験学習にならない場合がある。そんな皮肉を込めた漫画である。
最近、RV車「Recreational Vehicle(リクレーショナル・ヴィークル)=休暇を楽しむための車」が人気になり、自然公園などを傍若無人に走り回る光景を目にします。ドライブを楽しむにもそれなりのルールがあるはずであり、車で自然を破壊する行為は許されません。
1984年ごろの作品です。現代の電池式おもちゃ時代を予感したものですが、やはり、昆虫は自然のものがいいですね。最近、NHKで「昆虫すごいぜ!」なる番組が人気ですが、昔はみんな昆虫採集に夢中でした。
文科省の指導の下、総合学習の時間が始まりました。その中で、環境学習を取り上げる学校が多くなりました。しかしながら、教える先生方の中には、自然体験が多くない先生もおられ、カエルや昆虫を手で摑まえるのに、ビクビクされて、むしろ慣れた生徒たちの方に学ぶ姿が見られます。これからの環境教育では、教える方も教えられる方も共に学ぶ、「共育」が必要かもしれません。
全国的に行われている廃棄物に関する学習会として施設見学会がある。見学者は、焼却施設では、まずは大規模な処理施設に圧倒され、リサイクル施設では缶やペットボトルが見事に分別されていることに感心する。そして、見学者は「自分たちの出したごみはちゃんと問題なく処理されているんだ」との印象を持ち帰ることになる。はたして、これで本当のごみ学習は達成されたことになるのであろうか? 環境教育の視点では、そもそも現代社会ではなぜごみ処理が必要なのか?また、なぜこれほど大量のごみが発生するのか? ごみの元である資源・エネルギーがもたらす環境負荷の問題にはどのようなものがあるか?など、もう少しごみについての基本的な問題について学習する必要があるのではないだろうか?
最近、わが国の環境教育に関する法律が改正され、パートナーシップによる教育が重要視されました。具体的には、これまで主として学校教育において、行われてきた環境教育・環境学習に環境NPOや地域の住民、企業などの参画を得て、パートナーシップで取り組むことが求められることになりました。したがって、これからは教育現場も学校を離れ、フィールドにおける協働教育が試されることになりそうです。
京都の名刹、竜安寺には「吾唯足るを知る」と描かれた蹲(つくばい)があり、多くの観光客が訪れる。はたして、どれだけの人がその意味を理解し自分自身の生活を見直すでしょうか?
今回の漫画は子供たちが動植物の絵を自由に描いている場面です。 漫画の世界ですので、中には、かまぼこが泳いでいたり、ジャガイモが実っている木があったり、4本足の鳥がいたりする絵もあります。現在の子供たちが、いかに自然の現象からかけ離れた想像をしているかを皮肉った漫画なのですが、実は4本足の鳥の絵は実際にあった話なのです。 いずれにせよ、私たち人間は、自然の生態系の恩恵を受けて生かされているのですから、小さい時から自然の仕組みついてはよく学び、自然環境の大切さを理解する必要があります。そのためにも、子供たちの自然体験学習は欠かせません。
現在、京都の環境学習施設である京エコロジーセンターでは子供向けのごみ学習プログラムの中で自分たちが出したごみについて調べるプログラムがあります。ごみの処理について学ぶ「ごみ学習」において、子供たちに「私たちがごみを生み、出している」という当事者意識を持たせることはとても大事なことです。そうでないとまるで第三者的にごみをとらえ、ごみの処理の表面的な学習にとどまってしまいます。自分たちはごみと深く関わっていることを理解させることが「ごみ学習」の肝と言えます。
食育と言えば、一般的には食事を通して、健康に配慮した栄養のバランスなどのについて学ぶことが多くなされますが、もう少し食べ物自体の成り立ちまで深く掘り下げて学ぶことが望まれます。すなわち、食農教育ともいえる、食料をもたらす農業、漁業、畜産業のあり方について考える教育・学習がなされると、食に対するありがたさや取り組みが深まるものと期待されます。
わが国では、デジタル庁の新設を含め、デジタル分野へ総力をあげようとしています。教育の現場でも小中学生一人一台のPC導入を目指すとの方向性が言われています。一方では、自然体験型教育の必要性も叫ばれています。自然共生社会を目指す上でも小さいころからの自然と親しむ学びが大切なことは言うまでもありません。デジタル教育にしろ、自然共生教育にしろ、その教育環境が整えられても、子供たちに一体「何を学ばさせるか?」が問題です。まさに、先生方の教育理念が問われることになりそうです。 おわり
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