電子マンガ本には解説があります。
ゴミック連載の一番最初の作品です。1982年10月のことです。当時、家庭ごみ中に急激に食べ物の容器包装材が増えてきたので、私たちのライフスタイルが変わってきたことを少しオーバーに表現してみました。
家庭ごみの細組成調査の際、台所のごみの中に賞味期限切れで捨てられた食料品が多数見つかる。そこで、「期限」と「起源」をひっかけて描いたのがこの漫画である。最近は家庭の冷蔵庫も大型化が進み、沢山の食料品が冷蔵庫の中に詰め込まれ、気が付いてみると奥の方から賞味期限切れの食料品が出てきて、そのままごみ箱へというケースは珍しくない。
この漫画もよく引用される漫画である。台所ごみの調査で明らかになった残飯の実態から食べ残された食品の品と量を市場価格で積算すると年間11兆円と推定される。一方、我が国の農産物・水産物の総生産額もほぼ同額になる。言い方を変えると、日本人はお百姓さんや漁師さんが生産した食料品を金額ベースでは全部ごみとして捨ててしまっていることになる。いかにもったいない食生活をしているかがわかるデータである。
先進国である日本では、毎日食べきれないほどの食事が作られ、結果的には大量の食べ残しが発生している。一方、途上国の中には、十分な食料が得られず餓死者が出る国もある。同じ「もう食べられないよう」のキャプションでも、地球上にはこんな格差があることを知っておく必要がある。日本で無駄になった食料はカロリーベースでいえば4200万人の食料に相当するという。
使い捨ての食器が広く使われようになり、いよいよ、食事が終われば、食卓の上のものがすべてそのままごみバケツへ直行するテーブルが出現しました。食器洗いの手間がなくなり、助かりますね。しかし、これはマンガの世界にとどめておいてほしいものです。
スローフード運動は1986年イタリア北部の小さな町から始まった運動である。ファストフードに対抗して、その土地の伝統的な食文化と食材を見直す運動で、現在では世界各地で共鳴者が様々な活動を展開している。要はこれまでの郷土料理の持つ良さを様々な角度で見直し、まさに地産地消を大切にしようとする運動で今やイタリアにはスローフード大学まであるそうである。
日本では飲食費に年間100兆円も使われる。しかし、そのお金の大半は食品加工業者、運送業者、外食産業に還元され、肝心の食料の生産者である農業、水産業には10分の1しか渡らない。これでは、農家、漁業者はやっていけない。もう少し、食料生産者を支える仕組みはないものだろうか?
今、日本ではどの季節でもトマトやキュウリを手に入れることができる。ハウス栽培と冷蔵技術の発達で、冬でもスーパーに夏の野菜が並んでいる。しかし、たとえば、冬のキュウリは夏とれるキュウリの10倍のエネルギーを要している。やはり、旬のものを食べるのがエコであり、体のためにも良いのである。
数年前に「毒入り餃子」事件や輸入肉のBSE問題が我が国の食卓で話題になったころ描いた漫画である。その後も食品にまつわるスキャンダルは絶えることはない。産地偽装や偽装メニューなどで食品関係者のモラルが問われているが、消費者も食に関する意識を高めてゆく必要がある時代である。
東電の原発事故以来、一般市民の間でも放射能汚染についての関心は非常に高いものがあります。現在、わが国では食品の許容放射能レベルは年間1ミリシーベルト(線量)であり、これは食品の国際規格コーデックス委員会の指標を参考にしており、放射能物資の濃度で言えば一般食品1kgあたり100ベクレルに相当すると言う。最近では放射線量測る測定器もスマートなものが市販されており、放射能汚染を気にする人は活用しているようです。
2013年に、日本の伝統的な和食が世界遺産ともいえる、ユネスコの無形文化遺産に認定されました。これまで、我々は当たり前のように食べてきた和食は、考えてみれば、地産地消が主流であり、栄養のバランスも優れており、それなりに季節や自然を感じる食事です。その意味では、まさにエコ食なのです。一方の洋食はパンと肉が主流であり、和食に比べれば、環境負荷が大きい食事と言えそうです。
皆さんは食事でどんなメニューを選びますか?美味しいビーフステーキを食べたいと思われるかもしれません。しかし、いつも肉食ばかりの食生活をしていると、体にはよくないと言われています。そして、実は肉食は地球環境にもあまりよくないのです。私たちの食品が生産から食卓に上がるまでにどの程度温室効果ガスを排出しているかを食品1kgあたりで算出したものがあります。これによりますと、牛肉1kgでは27.0kgの温室効果ガスが排出されます。一方、お米は1kgあたり2.7kgの排出です。約10倍の差があります。また、このことは牛肉1kgを得るのに牛が食べる穀物が約10kg必要と言われていることと整合性があります。
わが国で発生する食品ロスは、農水省の調べでは年間500~800万トンと推定されています。食品ロスといえば一般家庭で発生する「食べ残し」をイメージしがちですが、実は発生量の半数以上は流通過程からといわれています。 まず食品の製造工程では、原材料から規格外や成型時の端材が食品ロスとして発生します。 現在の日本の食品流通はあまりにも消費者ニーズに合わせ過ぎているようです。必要なものを、必要な時に、必要なだけ常に供給することを優先させると当然、製造も販売も過剰に製品を用意することになり、ロスが生まれます。われわれ消費者も原点に戻り、食料の大切さについて見直し、過剰な食品流通を改める方策を検討すべきだと思います。 おわり
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