京都新聞エコロジー8

 ⑧ 2016年 7月22日付

多様な構成員が安定の証し

生態系のジグゾーパズル

 皆さんは、ジグゾーパズルを楽しまれたことがあると思います。

 実は、私たちの生存基盤である生態系はまるでジグゾーパズルのように、さまざまな動物、植物、土壌が複雑に絡み合って構成されています。そして、一つ一つの生物が構成員(パズルの小片)として、生態系を支えています。構成員が多様であればあるほど生態系は安定するといわれています。

 この生態系からのサービス、すなわち食料、水、空気、薬などで生かされている私たちにとって、生態系の安定は、大変重要なことなのです。

 昔は身近な田んぼや川でたくさん見られたメダカやゲンゴロウが、最近は絶滅種の候補になっていると聞きます。たかが小さな魚や虫なんてと思われるかもしれませんが、私たちの身の回りの生態系に異変が起こっている証拠でもあります。

 私たちは、もっと生物多様性に関心を持ち、生態系の保全の活動に取り組む必要があります。

                         (京エコロジーセンター館長)