京都新聞エコロジー18

⑱ 2016年12月16日付

便利なものこそ 慎重にいこう

お役立ちドローン?

 最近、大手宅配業者がドローンを宅配業務に活用することを検討しているとのニュースが流れました。ドローンを利用すれば発注から30分で荷物が届けられるとのことです。

 それ以外にも、ドローンを使えば農業分野では農薬や肥料の散布が安価にでき、災害時の空撮や土地測量にも活用できると期待されています。

 しかし、心配な点もあります。飛行時の安全性の問題、盗撮によるプライバシーの問題、爆弾搭載によるテロへの対策など、まだまだ実用にあたっては解決しなければならない課題がたくさんあります。規制面では小型無人機の適用可能範囲に関するガイドラインはできましたが、個人が日常、無制限にドローンを活用しても、環境面や安全面で大丈夫なのか、慎重に検討する必要があります。

 環境面からいえば、そもそも重力に逆らって飛行するのですから、それだけエネルギーの消費は大きいと考えられます。便利なものには常にエコロジーチェックが必要です。

                         (京エコロジーセンター館長)