京都新聞エコロジー27
㉗ 2017年 4月28日付
使い捨てに慣れていませんか?
ごみの中身を観察すれば、そのごみを出した人のライフスタイルが推察できます。
例えば、即席ラーメンの容器やジュース缶などが多く、野菜くずや魚の骨などが少ないと、この人は家であまり料理などつくらないのではないかと思ったり、まだ着ることのできる衣服が惜しげもなく捨てられていたりすると、この人は流行のファッションを好むタイプでは・・・などと想像するわけです。ごみはそれを出した人が使ったものですから、当然、その人の生活スタイルが反映されます。
ちなみに作者は京都大学で教えていた時代から40年近くにわたって、京都市環境政策局の協力を得て、約200世帯の家庭ごみの中身について詳細に調査研究をしてきました。
わかったっことは、昔に比べ、私たちの出すごみに使い捨ての製品が増えたことです。典型的なものがプラスチック製の容器包装材です。毎日、膨大なプラスチック製のトレイや袋を使い捨てています。私たちはあまりにも製品を使い捨てるライフスタイルに慣れてしまったのではないでしょうか? いま一度、「しまつのこころ」を取り戻したいものです。
(京エコロジーセンター館長)