京都新聞エコロジー45回
「環境首都」の活動広がりに期待
アメリカのトランプ政権はパリ協定に反対し、離脱を表明しています。しかしながら、ニューヨーク州やカリフォルニア州など多くの地方自治体は、パリ協定に賛同し、独自の温暖化防止の取り組みを行っています。
一方、日本でも政府は、原発は一定量必要だと再稼働を容認し、化石燃料による火力発電所の建設も進めています。しかし、日本の地方自治体の中には、環境首都と呼ばれる熊本県水俣市や長野県飯田市などのように脱原発を掲げ、再生可能エネルギーの導入に積極的な都市もあります。
ここで言う環境首都とは、行政だけでなく市民の参画と協働によって、まちを環境に優しく持続可能なものへ変える取り組みをしている都市を指します。ドイツで始まった試みで、特にフライブルグが有名です。
市民が環境問題の解決に向けて具体的な行動を起こすには、国の政策もさることながら、地方自治体の果たす役割が非常に重要です。環境派としては、日本においても環境首都の活動の広がりに期待したいものです。
(高月紘・京エコロジーセンター館長)