京都新聞エコロジー52

 太陽光パネル 後始末考えて

 太陽光発電は今や、原発や火力発電に頼らない「エコ」な再生可能エネルギーの象徴的なものとして、利用が拡大しています。しかし、太陽光発電に使用されるソーラーパネルはいずれ寿命(一般的には20~30年)を迎えます。

 総務省の調べ(2017年)によりますと、使用済みの太陽光パネルの排出量は15年現在で約2400トンですが、40年には約80万トンに達すると予測されています。

 このような大量の廃棄だけでなく、災害により損壊したパネルによる感電や有害物質の流出も問題であると、総務省は警告しています。実は、太陽光パネルは製品によっては鉛、カドミウム、セレンなどの有害物質が使われており、適正な処理が必要なのです。

 私たちの身の周りの製品でも、使用時には「エコ」と思われるものでも、廃棄時には思わぬ環境負荷をもたらすものがあります。例えば、製品を長持ちさせる防虫剤や火災を防ぐ難燃剤などには、廃棄処理の際に有害物質を排出する心配があります。私たちは常に製品の後始末のことを考えておく必要があります。

          (高月紘・京エコロジーセンター館長)