京都新聞エコロジー16
⑯ 2016年11月18日付
避けられぬ温暖化 道のり厳しく
「パリ協定」発効
「パリ協定」がいよいよ発効しました。気候変動に関するパリ協定は、京都議定書に代わる2020年以降の温暖化防止対策の世界各国の取り組みを定めた重要な枠組みです。
パリ協定では、産業革命期からの平均気温上昇を2度未満に抑えることを長期目標に掲げています。そのためには今世紀後半に、人間活動に伴う温室効果ガスの排出をゼロにする必要があります。そうしなければ、地球上の生態系は壊滅的な損害をうけることになるからです。
さて、当面の対策として、このパリ協定では各国が自主的に温室効果ガスの削減目標を設定し、これを着実に実行することを約束しています。今のところ、協定に参加する主な国々の自主目標はイラストにあるようなものになりそうです。ところが、各国がこの目標を達成しても、実は平均気温上昇は2度未満には抑えられないのです。
これから、各国ともさらに厳しい温室効果ガスの削減が求められることになりそうです。
(京エコロジーセンター館長)