京都新聞エコロジー 43
EV車普及も 電気の元に注意を
世界各地で開催されるモーターショーで、今や花形なのが電気自動車(EV)です。その背景には、英国やフランスがガソリン車やディーゼル車の販売を今後禁止する方向を打ち出し、米国や中国も車の厳しい排ガス規制の下でEV車の普及に力を入れ始めたことがあるようです。
日本の自動車メーカー各社も遅ればせながら、EV車の生産に乗り出しました。
EV車はガソリン車に比べるとエネルギー効率が高いので、石油の消費量は少なく環境負荷が低減でき、環境面で優れていると言えます。
しかしながら、EV車の動力は基本的に電気に頼っており、その電気が化石燃料によって発電されているか否かが本当のエコ・カーを見極めるポイントになります。
どこかの国のように、いまだに火力発電所を増設しているようでは、せっかくのEV車の普及が環境面で足かせになりかねません。私たちは、これからは電気の元に注意を払う必要があります。
(高月紘・京エコロジーセンター館長)