京都新聞エコロジー 59

プラ製品使用制限 日本も取り組みを 

 世界経済フォーラムの報告書(2016年)によれば、少なくとも年間に800万トンのプラスチックが海に流れ込んでいるということです。

そこで最近、海外の国では、プラスチックごみによる海洋汚染を防止するために、使い捨てプラスチック製品の使用を制限する政策が取られ始めました。

例えばEU(欧州連合)は、スプーンやフォーク、皿、ストローなどの使い捨てプラスチック製品の流通を禁じる法案を、2019年5月までに加盟国の間で承認を得る方向です。また英国やフランスも独自に、19、20年を目途に使い捨てプラスチック製品の仕様や販売を禁止する法整備に踏み切りました。

この動きの背景には、マイクロプラスチックによる海洋汚染問題がサミットなどで国際的な課題として取り上げられるようになったことがあります。最近カナダで行われたG7首脳会議では、具体的な行動を促す「海洋プラスチック憲章」もまとめられました。

しかし、なぜか米国と日本はこの憲章に署名をしませんでした。ぜひ、日本も積極的にこの問題に取り組んでほしいものです。

 

               (高月紘・京エコロジーセンター館長)