京都新聞エコロジー 63
衣服 適正に作られているか
皆さんは、毎年どれくらいの量の衣服を購入されていますか? 経済産業省の調べによると、最近の国内衣服の供給量は年間約40億着で、ここ20年で倍増したとのことです。一方で購入価格は半額近くになったようです。日本の衣服の97%は海外からの輸入品です。従って、海外の衣服製造従業員に大きなしわ寄せがもたらされていることは明らかです。
さて、日本人はこの大量の衣服をどのように着こなしているでしょうか? 物によっては1~2回袖を通して処分されることも多いのではないでしょうか。衣服の廃棄量に関してはいろいろな推計があるようですが、衣服のリサイクル率は現在、20%程度といわれていますので、筆者の推計では年間に20~30億着はごみになっていると思われます。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)では、「経済活動と雇用」の実現のために、労働環境と環境保護リスクについてアパレル企業に対応を求めています。私たち消費者も、安さだけではなく、「適正に作られているか」に関心を持って衣服を選ぶ必要があります。
(高月紘・京エコロジーセンター館長)
=おわり